借入はしてはいけないもの,または,しないほうが良いと考える経営者は少なくないと感じています。
借入にネガティブなイメージを持っている理由の一つに資金繰りの厳しいタイミングで借入をすることが多いことが考えられます。しかし,借入には戦略的意義としての側面があり,計画を実行するための手段の一つとして借入を考えることは,財務戦略として大切なことです。
財務戦略として借入を考える場合,まず,スピードを求める手段として活用します。例えば,1000万円必要な事業計画を実行する際,借入をせず,こつこつ貯めてから展開する場合,毎年100万円ずつ貯めるとすれば10年かかります。その事業は10年後にようやく始めることができます。一方で,きちんとした事業計画をもって1000万円を借入すれば,すぐに事業を開始することができ,会社に利益をもたらす可能性があります。もちろん,事業がうまくいかなければ返済が苦しくなることもあるので,多岐にわたる計画が必要であり,安易な借入や展開をすべきでないことは言うまでもありません。
次に平常時に借入をすることは,手元キャッシュを増やすことができます。手元キャッシュがあるということは,事業内容を精査して速やかに着手の判断ができるということです。また,平常時に融資実績をつくっておくことで,いざという時に金融機関に相談をしやすくなります。

財務戦略をうまく活用している経営者は,
”手元現金優位性”をよく理解しています。



